マリー・アントワネット
2007年2月14日 その他舞台関係巷では超不評だったという東宝完全新作ミュージカル「マリー・アントワネット」、私も(最早去年の話ですが)観に行くことができました。
内容としてはアレな部分もありつつ、心の琴線に触れるといいますか、ふとしたところで何かが私の心に触れる感じで・・・。
しかも私の(おそらく)一番綺麗な部分に触れるため、途中涙が止まりませんでした。
そういった意味では、普遍的なものも盛り込んだ佳作だったのではないかと思います。
・「マリー・アントワネット」
涼風真世さんことカナメさんのマリーがまばゆいまでに美しく、時に可愛らしく、そして残酷で傲慢な面もある。こういうところがあったのかもしれないなあと感じさせられました。
話としてはフランス革命のお話そのままですが、藤沢周平原作をモチーフにしていることもあって同じイニシャル(M・A)であるマルグリット・アルノーの人生も平行して描かれます。
しかしどちらかというとこのマルグリットに重点が置かれ、「マリー・アントワネット」というタイトルながら、タイトルロールのアントワネットの人生そのものは薄くなってしまったように思いました。
ただ、それを感じさせないカナメさんの演技力には脱帽の一言。
最後の最後、断頭台に向かう際、膝をついたアントワネットに、マルグリットが手を差し出します。
彼女を助け起こそうとするように。
それとも、かつて手を差し出しながらシャンパンを浴びせた彼女への復讐のように?
緊張に満ちた一瞬の後、アントワネットが静かに微笑み、「ありがとう」と言って自分で立ち上がり、そっとマルグリットの手をとるのです。
それは助け起こすのではなく、握手のような形で、その瞬間パアア〜!と発光したようなアントワネットのまばゆさに、本気で圧倒されました。
彼女の人間的な成長、彼女自身が持っていた気高さや誇り高さ、人間としての矜持がたった一瞬で舞台全体を覆いつくした、あの演出には度肝を抜かれると同時にひどく感動しました。たった一瞬の仕草だったにも関わらず(笑)
フェルゼンが「わかっていた、常にあなたは王妃だった」と呻くのもわかる、そんな不可思議なほどのまばゆさに満ちていたのです。
その外適材適所のスタッフとキャストが揃っていましたが、なかでもヨッシーこと井上芳雄君のフェルゼンの素晴らしいこと、尋常ではありませんでした(笑)
最後会いにきてくれたときは泣いたよ。
来るだろうなーとは思ってましたが、涙がゴワー!と溢れたのは、ただただ誠実に、かけねなしにアントワネットを愛しきった彼の全てにあったと思います。
あの声で、あのスタイルで、あの笑顔で、切羽詰った明日もわからない状況の中、「愛しい方!」と駆け寄られ、口づけられ、抱きしめられてごらんなさい(笑)
彼女に裏切られ、雄たけびのように泣き咽んだ後、「わかっていた、あなたは常に王妃だった。けれどもそれでも愛していた」とか歌われてごらんなさい。
「愛しいひとよ、何故あなたは王妃なのか」と歌われてごらんなさい・・・!
だって「愛しいひと」ですよ!
しかもこの二人の関係は、常にマリーが差し出す手をフェルゼンが時に激しく、時に恭しく、そして常にいつくしみと愛に溢れた仕草と表情で取ることに現れているのです。
も〜ほんとに素敵だった。
「もしもあなたと生きられたなら・・・」と夢見るように歌っていた青年が「叶わぬ夢がこの胸で叫ぶ」と搾り出すように歌う姿に心底胸打たれました。
他も「もしも鍛冶屋なら」と平凡でありきたりなのに決して叶わない夢を歌うルイ16世役の石川禅さんなど、素晴らしかったです。
正直カリオストロはいらなかったかもしれないと思いましたが・・・だって山ピョンはいるだけで存在感がありすぎるのですよ・・・。彼の類稀な存在感が、今回に限り場を切ってしまっていたかもしれないなあと思いました。
ただあの美声は健在で、そちらは非常に嬉しく思いました。
本当はもう一度くらい行きたいのですけど、時間的に無理そうです。あーでも行きたい!
そして舞台写真満載らしいプログラム第二段がほしい・・・!私のは第一弾のものなのです。
誰か買ってきてくれないものかしら・・・!と思っていたら、あっという間に公演が終わってしまった印象です。
CDはもちろん買います。
ただフェルゼンがヨッシーのときにもう一度観たいかな・・・という感じで。
私は好きな作品でした!
内容としてはアレな部分もありつつ、心の琴線に触れるといいますか、ふとしたところで何かが私の心に触れる感じで・・・。
しかも私の(おそらく)一番綺麗な部分に触れるため、途中涙が止まりませんでした。
そういった意味では、普遍的なものも盛り込んだ佳作だったのではないかと思います。
・「マリー・アントワネット」
涼風真世さんことカナメさんのマリーがまばゆいまでに美しく、時に可愛らしく、そして残酷で傲慢な面もある。こういうところがあったのかもしれないなあと感じさせられました。
話としてはフランス革命のお話そのままですが、藤沢周平原作をモチーフにしていることもあって同じイニシャル(M・A)であるマルグリット・アルノーの人生も平行して描かれます。
しかしどちらかというとこのマルグリットに重点が置かれ、「マリー・アントワネット」というタイトルながら、タイトルロールのアントワネットの人生そのものは薄くなってしまったように思いました。
ただ、それを感じさせないカナメさんの演技力には脱帽の一言。
最後の最後、断頭台に向かう際、膝をついたアントワネットに、マルグリットが手を差し出します。
彼女を助け起こそうとするように。
それとも、かつて手を差し出しながらシャンパンを浴びせた彼女への復讐のように?
緊張に満ちた一瞬の後、アントワネットが静かに微笑み、「ありがとう」と言って自分で立ち上がり、そっとマルグリットの手をとるのです。
それは助け起こすのではなく、握手のような形で、その瞬間パアア〜!と発光したようなアントワネットのまばゆさに、本気で圧倒されました。
彼女の人間的な成長、彼女自身が持っていた気高さや誇り高さ、人間としての矜持がたった一瞬で舞台全体を覆いつくした、あの演出には度肝を抜かれると同時にひどく感動しました。たった一瞬の仕草だったにも関わらず(笑)
フェルゼンが「わかっていた、常にあなたは王妃だった」と呻くのもわかる、そんな不可思議なほどのまばゆさに満ちていたのです。
その外適材適所のスタッフとキャストが揃っていましたが、なかでもヨッシーこと井上芳雄君のフェルゼンの素晴らしいこと、尋常ではありませんでした(笑)
最後会いにきてくれたときは泣いたよ。
来るだろうなーとは思ってましたが、涙がゴワー!と溢れたのは、ただただ誠実に、かけねなしにアントワネットを愛しきった彼の全てにあったと思います。
あの声で、あのスタイルで、あの笑顔で、切羽詰った明日もわからない状況の中、「愛しい方!」と駆け寄られ、口づけられ、抱きしめられてごらんなさい(笑)
彼女に裏切られ、雄たけびのように泣き咽んだ後、「わかっていた、あなたは常に王妃だった。けれどもそれでも愛していた」とか歌われてごらんなさい。
「愛しいひとよ、何故あなたは王妃なのか」と歌われてごらんなさい・・・!
だって「愛しいひと」ですよ!
しかもこの二人の関係は、常にマリーが差し出す手をフェルゼンが時に激しく、時に恭しく、そして常にいつくしみと愛に溢れた仕草と表情で取ることに現れているのです。
も〜ほんとに素敵だった。
「もしもあなたと生きられたなら・・・」と夢見るように歌っていた青年が「叶わぬ夢がこの胸で叫ぶ」と搾り出すように歌う姿に心底胸打たれました。
他も「もしも鍛冶屋なら」と平凡でありきたりなのに決して叶わない夢を歌うルイ16世役の石川禅さんなど、素晴らしかったです。
正直カリオストロはいらなかったかもしれないと思いましたが・・・だって山ピョンはいるだけで存在感がありすぎるのですよ・・・。彼の類稀な存在感が、今回に限り場を切ってしまっていたかもしれないなあと思いました。
ただあの美声は健在で、そちらは非常に嬉しく思いました。
本当はもう一度くらい行きたいのですけど、時間的に無理そうです。あーでも行きたい!
そして舞台写真満載らしいプログラム第二段がほしい・・・!私のは第一弾のものなのです。
誰か買ってきてくれないものかしら・・・!と思っていたら、あっという間に公演が終わってしまった印象です。
CDはもちろん買います。
ただフェルゼンがヨッシーのときにもう一度観たいかな・・・という感じで。
私は好きな作品でした!
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